2015年5月26日火曜日

府中市を訪ねて(1) 井永八幡神社の弓神楽

 府中市の井永八幡宮で弓神楽を公開していただけるというので、広島民俗学会研究会に参加しました。安芸高田市や北広島町の石見神楽を子どものころから見て育ったので、全く違う神楽を是非見てみたかったのです。井永八幡神社では地域の方が法被を着て待っていてくださりきめ細かく世話をしてくださり感激しました。祭場は神社の神楽殿にしつらえられていました。揺輪に弓が弦を上にして結び付けて置いてあります。注連縄が周りに巡らされ、それに千道が張られシデや巧妙な切り飾りが吊るされています。弓神楽が始まりました。主座が神座について弓を打ちながら祭文を誦みます。それに合わせて後ろの脇座が笛と銅拍子を奏します。ビン、ビンという音が体の芯まで響きます。長い祭文をよく覚えられたものだと感心します。最後に揺輪から弓を外し、弓で上に張られた千道を切り、弓矢を2度放って祭場から邪霊を払い弓神楽は終わりました。石見神楽のように動きが激しいものではありませんでしたが、五穀豊穣と家内安全を神に祈るという願いは同じです。とても印象的な神楽でした。
井永八幡神社参道

井永八幡神社社殿

 神楽殿にしつらえられた弓神楽の祭場(揺輪に弓を結び付けて置いてある。上に千道が張られシデや切り飾りが吊るされている)

揺輪の上に置いた弓の弦を打ちながら、祭文を唱え土公神を祭り、五穀豊穣と家内安全を祈る

弓を揺輪からはずし、弓で千道を切り落とし、神歌と共に矢を2度放って祭場から邪霊を払う

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