2024年11月30日土曜日

東海道五十三次日永から豊明まで歩く(12)

3日目は昨日の終着点の笠寺観音から豊明に向けて出発します。笠寺観音は尾張四観音のひとつに数えられます。本堂は宝暦13年(1763)に建てられた建物です。聖武天皇の時代に呼続浦に漂着した霊木を禅光上人が彫ったと伝わる十一面観音が本尊です。多宝塔の前には人質交換の碑があります。これは幼少時代の徳川家康(竹千代)と織田信長の兄の織田信広がこの笠寺観音で人質交換されたことに因んで建てられた碑です。笠寺観音を出て少し歩くと笠寺一里塚があり、大きな榎が立っています。この榎は一度枯れかけましたが、平成6年春、市が幹に空いた穴をふさぐ手術をして蘇ったそうです。
                  笠寺観音本堂
 
多宝塔
人質交換の碑
            
               笠寺の一里塚の榎
       

2024年11月29日金曜日

東海道五十三次日永から豊明まで歩く(11)

 宮宿は熱田神宮の門前町として発展し、近世では桑名への渡船場としても賑わいました。また佐屋路や美濃路への分岐点があった所で、道標も立っています。裁断橋が川の無い所にあります。この橋はかつて精進川に架かっていましたが、昭和のはじめに川が埋められ廃橋となって、この地に復元されています。擬宝珠に母が子を思う仮名書きの銘文が評判となったということです。隣には都々逸発祥の地碑が立っています。しばらく歩くと足がコンクリートに埋まった二宮金次郎像があります。足が破損したので補修したのでしょう。そして二日目の終点、笠寺に着きました。
              佐屋路と美濃路の分岐点の道標  

                    裁断橋

 
                 裁断橋擬宝珠
                都々逸発祥の地碑

      

                 二宮金次郎像
                  笠寺に着く

  

2024年11月28日木曜日

東海道五十三次日永から豊明まで歩く(10)宮側七里の渡し

宮(熱田)側の七里の渡しに着きました。昭和58年(1983)に港の様子が一部復元されたり、常夜灯が建っていたりします。この常夜灯は寛永2年(1625)に創建され、風害や火災などによって移動したり建替えられたりした建物が荒廃していたので昭和30年(1955)に復元されたようです。尾張名所図会や歌川広重の東海道五十三次にも熱田宿や七里の渡しが描かれており当時の賑わいが偲ばれます。
                   常夜灯 

           熱田湊常夜灯(寛永2年創建昭和30年復元)
             尾張名所図会に描かれた七里の渡し
         歌川広重の東海道五十三次二描かれた七里の渡し


 

2024年11月27日水曜日

東海道五十三次日永から豊明まで歩く(9)

 石取会館を出て少し歩くと、青銅製の大鳥居があります。これは春日神社の鳥居で、寛文7年(1667)に金259両を出して作られたもので、鋳物師の町である桑名の伝統的産業である鋳物産業のシンボル的存在です。この大鳥居の隣にはしるべ石があります。行方不明の人を探すための伝言板で、明治18年に建立されたものです。桑名城の石垣が残されています。江戸時代の大火、明治維新、太平洋戦争での戦災、1959年の伊勢湾台風の被害などで、このほかの面影はほとんど残っていないそうです。ついに桑名側の七里の渡しに着きました。櫓が建っています。これは水門統合管理所ですが、案内板によれば、この地に建っていた桑名城の蟠龍櫓に出来るだけ近づけるように推定復元されたものだそうです。ここから多くの旅人は船で宮側の七里の渡しに向かったようです。現在は渡し船は無いので、私達はバスで宮側の渡しに向かいます。
              春日神社の青銅の大鳥居
 
しるべ石
桑名城城壁
      
                桑名側の七里の渡しに着く
         
                
              水門統合管理所(蟠龍櫓)

  

2024年11月26日火曜日

東海道五十三次日永から豊明まで歩く(8)

 桑名宿に入りました。桑名は宿場ではありますが、桑名城の城下町でもあります。東海道も軍勢がまっすぐに進めないように、複雑に曲げてあります。途中石取会館に立ち寄りました。石取会館には石取祭の歴史や、祭車などが展示されていました。桑名では春日神社の石取祭が江戸時代から桑名の町衆の祭りとして発展して来ました。祭車が太鼓や鐘を打ち鳴らしながら町内を巡ります。平成19年に国重要無形文化財に指定されたということです。
                  城下町桑名
 
 道標
石取会館
                  
                 桑名石取祭りの祭車

2024年11月25日月曜日

東海道五十三次日永から豊明まで歩く(7)

 朝明川を渡ると桑名市に入ります。そこに常夜灯が立っています。しばらく歩くと安永立場です。橘守部誕生地の案内板があります。橘守部は、天保の国学者として、香川景樹、平田篤胤、伴信友と並び称され、古事記より日本書紀を重んじたと言われています。伊勢両宮常夜灯と里程票が立っています。常夜灯は文政元年(1818)に建てられたもので、里程票は明治26年に建てられたものです。一目連神社は金属工業の神様で、桑名が鋳物の町であることから、約150年前に勧請されたようです
常夜灯
橘守部誕生地
                   
 
伊勢両宮常夜灯と里程標
一目連神社
               

2024年11月24日日曜日

東海道五十三次日永から豊明まで歩く(6)

 街道歩き2日目は蒔田から出発です。先ず向かったのは長明寺。寺なのに周りは堀で囲まれています。この寺があった場所はかつて蒔田城があった場所です。蒔田宗勝の居城でしたが織田信長の北伊勢侵攻の際に滝川一益に滅ぼされたということです。松寺の立場跡を通り、朝明橋の西詰に着きました。朝明橋を渡ります。下を流れる朝明川は、壬申の乱(672)の際、大海人皇子が伊勢神宮を遥拝し、勝利を願った迹太川だと言われています。
                長明寺(蒔田城跡)
 
                   蒔田城堀  

                 松寺の立場跡
        
                四日市宿の案内板
  
                  昔の朝明橋
                 朝明橋を渡る
         

2024年11月23日土曜日

東海道五十三次日永から豊明まで歩く(5)

 諏訪神社から少し進むと立派な道標が立っています。文化7年(1810)に設置されたようです。更に進むと笹井屋という天文19年(1550)創業の街道名物なが餅の老舗の前に来ました。試食してみましたが甘さ控えめで美味しかったです。四日市宿を抜けると、三ツ谷一里塚跡やかわらずの松などがあります。四日市宿から桑名宿までは長距離なのでその間の三ツ谷、羽津、富田、松寺、水向の5カ所は立場でした。

道標
                  笹井屋
 
                  なが餅
                   
       
                
三ツ谷一里塚跡
                 かわらずの松
     

2024年11月22日金曜日

東海道五十三次日永から豊明まで歩く(4)


 東海道は表参道を通ります。入口には大入道がいて首を伸ばしたり縮めたりしています。表参道を抜け、諏訪神社に立ち寄ります。狛犬が迎えてくれます。「おすわさん」と市民に愛称されている諏訪神社は、商業・漁業の神として古くから崇敬されてきました。建仁2年(1202)信州諏訪上下両社を勧請したと伝えられています。
東海道は表参道を通る
大入道が首を伸ばす
             
                 諏訪神社
   
                 狛犬(吽形)
                  狛犬(阿形)

 

2024年11月21日木曜日

東海道五十三次日永から豊明まで歩く(3)日永うちわ・両聖寺・興正寺

 日永は丸い竹をそのまま使った丸柄のうちわの産地として有名で、300年以上の歴史があります。かつては十数軒の製造業者がありましたが、現在では一軒だけになっています。両聖寺は、その昔、付近を流れる天白川の堤防を固めるための「地つき作業」地元民が唄い踊ったといわれている「つんつくおどり」が伝わっています。興正寺の山門の北に「藤屋」という足袋屋があり、履く人の足の寸法に合わせて作ったため、評判だったようです。
                  日永うちわ
                細い竹をそのまま使う
 
両聖寺
日永山興正寺
                  

2024年11月20日水曜日

東海道五十三次日永から豊明まで歩く(2)日永神社の狛犬

 三重県四日市市日永神社の狛犬です。大きな石を積んだ上にいます。形の良いお座り型です。東海道沿いには神社が多く、いろいろな狛犬に会えるのも楽しみの一つです。
                日永神社社殿
 
                  狛犬 (阿形)
                狛犬右 (吽形)
      
                狛犬左 (吽形