万徳院跡に続いて近くにある吉川元春の館跡に行ってみました。ここにも入口に町営の立派な「戦国の庭歴史館」が建てられており、ここで館跡の発掘の様子や出土品などを見た後、現地を見ることができるようになっているのでよく分かります。この館は吉川元春が1583年に隠居所として建設を始めたものです。1591年当主であった3男の広家が出雲へ移転したことにより、館としての機能を失い、1600年吉川氏の岩国移封により完全に廃墟となっていたものです。1994年から1998年にかけて県教育委員会により、本格的な発掘調査が行われました。
館跡の正面は8mの入口の北側に50m、南側に20m高さ3、5mの堂々たる石垣が築かれています。やはり、万徳院跡と同じ技法で築かれています。「石つき之ものども」と呼ばれた石積みの専門集団の仕事でしょう。今日のような重機もないこの時代に、よくもこのような大きな石を運んできたものだと思います。間口110m奥行80mの範囲の敷地に台所、番所、湯殿などの建物跡や庭園、井戸などが発掘され、輸入、国産の陶器、木製品、石製品などが出土しています。台所跡は復元されていました。
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吉川元春館跡正面石垣 |
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広大な敷地(間口110m奥行80mの範囲に様々な建物や施設があった。) |
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台所跡は復元されている。 |
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台所内部(竃が据えられている。) |